作品内容
貴方に理解者は、いますか?
誰にも触れさせない、閉ざされた部屋と心の中。
かつて成績優秀で可愛い顔をしていた優斗は、今や家に引きこもり、インターネットで女性嫌悪を募らせる日々を送っていた。
無職、未来なし、孤独なニートの生活に、もう何も期待していなかった。
部屋の中は散らかり放題、スマホ片手に“論争”する日々。
「マンさん(笑)」「女は得してるだけ」
そんな言葉で自分を守っているけれど、本当は──わかってる。
そんな彼の部屋の扉をノックするのは、幼馴染の知世(ちせ)。
「優斗お兄ちゃんに会いたくて。心配で……」
そう言いながら寄り添おうとする知世を、優斗は突き放す。
「どうせお前も 被害者ヅラ するんだろ」
──それでも彼女は、扉を開けた。
涙を浮かべるでもなく、ただ静かに。優しく。
「好きだから、だよ」
彼の闇に踏み込み、彼の弱さを受け止め、
その言葉をぶつけた知世の“覚悟”は、優斗の中に何を残すのか?
──これは、救済の物語。